グローバルな指標として再認識されるWTI

NYMEXライト・スイート・クルード・オイル(WTI)先物は2017年、売買高と建玉で過去最高記録を更新した。2017年11月、建玉は269万枚の新記録を達成し、2017年の日中売買高平均は前年から12%増加し、123万枚に達した。

WTI原油先物は、世界的な指標として再認識されており、原油市場における主要な価格発見の場としての立場を再建するに至っている。WTI先物を再び世界のベンチマークに押し上げた主要な要因は2つ: 1)輸出の拡大、そして、2)記録的な米国の原油生産

米国産原油の輸出

米国の原油輸出は、禁輸が解禁された2016年の日量60万バレルから、2017年には同100万バレルと、ほぼ倍化する水準に達している。こうした輸出量の拡大は、米国の原油市場を変革させる要因ともなっている。主要な輸出基地であるテキサス州ヒューストンでは、拡大を続ける輸出量に対応するため、インフラの増設が続いている。こうしたインフラの革新を通じて、米国は世界市場に対する主要な供給者に変革したのである。

米国の月間原油輸出量(単位: 1000バレル/日)

米国の原油生産量は底堅さを示している

2009年1月時点で日量510万バレルに過ぎなかった米国の原油生産量は、2017年10月の同961 万バレルまで、大幅な増加を見せている。EIA(米国エネルギー省情報局)は直近の見通しで、米国の原油生産は2018年に日量1030万バレルで過去最水準を更新し、2019年には同1090万バレルまで増加すると予想している。

米国産原油等級への爆発的需要

米国内の備蓄施設やパイプラインの新設は、国内の原油市場が輸出機会に焦点を合わせる中、米国産原油に関して変革的なインパクトを及ぼしている。こうした変化は米国産原油の取引量を爆発的に増加させ、同時に、それぞれの原油等級の標準として、WTIの役割が重要度を高める状況ともなっている。

NYMEXで取引される各原油等級の売買高は、ADV(日中売買高平均)で、2017年が2016年を82%も上回った。2017年12月、ADVは1万枚超となり、過去最高を記録している。さらに、2017年の各等級の建玉は前年を45%上回ると言う爆発的な増加を見せ、同年末までに40万枚で過去最高を記録している。

NYMEX北米原油等級

2017年の特記するべき米国産原油のOI(建玉)記録は:

  • WTIミッドランド(アーガス)で13万6500枚のOI新記録 vs WTI先物(WTT)
  • WTIニューストン(アーガス)で9万8000枚のOI新記録 vs WTI先物(HTT)
  • アーガスLLSで6万5000枚のOI新記録 vs WTI先物(E5)
  • WCS(ネット・エネジー)の月次指数先物(WCW)で2万6000枚のOI新記録 

2018年の展望

拡大を続ける輸出と米国内の生産は、2018年も、WTI先物と各米国産原油プロダクトの取引増に寄与すると考えられる。

米国の原油市場にとって、輸出拡大が市場変革の大きな背景となっていることは、特筆されるべきである。高まり続ける輸出需要に対応するため、米国南部のメキシコ湾沿岸には新規のインフラが建設され、こうした改善を経て、米国は世界屈指の原油供給国へと変革している。2018年、こうした傾向はさらに強まると考えられる。従って、グローバル市場の価格指標として、WTI先物は引き続き重要な役割を果たしていくことになる。


1 米国エネルギー省情報局: https://www.eia.gov/dnav/pet/pet_crd_crpdn_adc_mbblpd_m.htm

About the Author

Dan Brusstar is Senior Director of Energy Research & Product Development/Marketing at CME Group.