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欧州通貨から見えるもの

2014年6月25日
CME Group

6月12日、BOE(イングランド銀行=英中央銀行)が市場の予想よりも早く利上げに踏み切る可能性を示したことで、それまで低下し続けていたボラティリティ(変動性)が跳ね上がりました。いわゆる「ボラティリティ・ベア・トラップ(弱気のワナ)」です。 CME グループに上場する英ポンド先物は急騰し、出来高は史上最高の33万7633枚を記録しました。名目取引金額では355億米ドルを超えます。 この急騰によって市場は、米英の金利が長期的に正常とみなされる水準に戻る可能性が依然として高いことを改めて思い知ったのです。 英国のエコノミストの中には今もなお、BOEがあと数年にわたって政策金利を0.50%に据え置き、市場の思惑を探ると予想している向きがあります。しかし、英ポンド相場に待望のボラティリティが生じる可能性を予想しておくべきです。

概して、CME グループの通貨先物市場には1日平均1090億ドルの取引があり、その大半が直物(スポット)、つまりT+2(2営業日後決済)取引の代わりに利用されています。 また通貨先物が先渡し、通貨スワップ、NDF(ノンデリバラブル・フォワード=差金決済の先渡し取引)の代わりに利用されることが増えてきました。それは市場参加者が、高い資金効率性、大きな流動性、高い透明性、取引の匿名性、そして中央清算機関(CCP)のメリットを享受できるからです。 通貨スワップの代わりにCME グループの通貨先物を利用して、2通貨間の望ましい金利差を複製し、より長期に通貨先物の建玉を保有している市場参加者も出始めています。 CME グループの通貨先物で限月間スプレッドを仕掛けているトレーダーもいるでしょう。例えば、英ポンド先物の期近買い(もしくは売り)と期先売り(もしくは買い)の組み合わせです。 通貨先物のスプレッドを利用すれば、取引所間もしくは相対で金利先物の取引をしなくても、資金効率の高い方法で、自分が予測する金利差を再現できます。

CME グループの通貨先物は、規制監督を受けている市場であり、長きにわたり店頭為替市場の有効な代替手段としての役割を果たしてきました。市場参加者が先渡し、通貨スワップ、NDF市場の代わりに、通貨先物市場を利用してきた実績があるのです。 2013年のCME通貨先物・オプション市場では、42通貨ペアに1日平均1090億ドルもの取引がありました。これは現実に、同年最大であった現物取引プラットフォームを上回っています。CME通貨市場の取引量は、ICAP社のEBSプラットフォームの取引量の103%に相当していたのです。

1日23時間、週5営業日にわたって通貨の取引ができるCME グループの「全対全」型市場に、毎月常に150を超える国から幅広い層の顧客が参加しています。 この盤石な顧客基盤は、規制をめぐる不透明感や、最近の低ボラティリティに関わらず、拡大し続けているのです。 いくつもの指標が、標準化された通貨先物・オプションを選好する動きがあると示しています。 CME通貨市場の大口建玉者が、2013年末から13%も急増しています。現在の状況は「リスク回避」というよりも、むしろ「リスク維持」といえるでしょう。

CMEグループ金利・通貨商品部シニア・ディレクター