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先物化する外国為替市場?

2014年6月17日
CME Group

BIS(国際決済銀行)が3年ごとに実施している中央銀行サーベイ(2013年)によると、世界中の外国為替取引における直物(スポット)、先渡し(フォワード)、NDF(ノンデリバラブル・フォワード=差金決済の先渡し取引)、オプション、そしてスワップの取引量(名目ベース)は、1日当たりおよそ5.3兆ドルでした。 この数字は、2007年の3.3兆ドル、2010年の4兆ドルから、さらに増加したことを示しています。 すでに巨大な市場ながら、衰えることなく、驚異的な成長を遂げているわけです。 しかし、こうした調査結果に表れていないものがあります。私たちが日々参加する外国為替市場という「地殻」の下で変動している底流のことです。 確かに現在の外国為替市場は、依然としてOTC(店頭)取引に主導されており、世界中に散らばる取引執行システムで価格が形成されています。 しかし、この状態がいつまでも続くでしょうか。

従来の為替市場は構造的に進化してきており、今日では世界的規制がその主導権を握っています。例えば、証拠金の扱い(ドッド=フランク法やEMIR=欧州市場インフラ規制)、資本コスト(BCBS=バーゼル銀行監督委員会やIOSCO=証券監督者国際機構)、業務および資本の効率化(バーゼルIII)、中央型清算の義務化(ドッド=フランク法やEMIR)、そして報告義務です。これらが決定的な影響力を持つようなってきています。 こうした方向決定要因のひとつひとつが、日々の為替業務のやり方に影響しているのです。 この構造的変化が、標準化された通貨商品のさらなる利用に道を開き、市場のニーズを満たすようになるのは、自然な流れといえます。

CMEの通貨先物は、規制監督を受けている世界最大の通貨市場です。長きにわたり、店頭為替市場の有効な代替手段としての役割を果たしてきました。市場参加者が直物や先渡し、NDF市場の代わりに、通貨先物市場を利用してきた実績があるのです。 2013年のCME通貨先物・オプション市場では、42通貨ペアに1日平均1090億ドルもの取引がありました。これは現実に、世界最大の現物取引プラットフォームの取引量を上回っています。CME通貨市場の取引量は、ICAP社のEBSプラットフォームの取引量の103%に相当していたのです。

概して、CME通貨先物の1日平均1000億ドルに及ぶ取引の大半が直物、つまりT+2(2営業日後決済)取引の代わりに利用されています。 先渡し、通貨スワップ、NDFの代わりとして、CMEの通貨先物を取引することが益々増えてきました。それは中央清算機関であるCME Clearingがあることで、参加者は、高い資本効率性、優れた流動性、高い透明性、取引の匿名性といった便宜をすべて享受できるからです。

さらに、さまざまな通貨ペアや通貨スワップのストリップが電子的に取引できるようになっています。そのため、従来は先進7カ国通貨の先物で占められていた取引量上位に、新興国通貨の先物が入るようになりました。 これは取引所では、INR(インドルピー)、CNH(オフショア中国人民元)、CNY(オンショア中国人民元)、そしてRUB(ロシアルーブル)がすべて、CLOB(集中指値注文システム)で値付けされているため、新興国通貨取引の参加者が、よりリスクを管理しやすいと感じているからでしょう。 通貨先物では、中央清算機関が取引の相手方となります。つまり、CMEグループがあらゆる取引の相手方になることで、参加者は「全対全」型市場で取引ができ、余計な相手方信用リスクを軽減できるわけです。 事実、こうした顧客保護と資金安全策は、市場参加者が取引所取引をさらに活用する理由となっています。

CMEグループ金利・通貨商品部シニア・ディレクター