株価指数オプション満期時の指数終値ベーシス取引(BTIC)

  • 5 May 2016
  • By CME Group

株価指数オプション市場では、大半のトレーダーがヘッジ目的で株価指数先物を利用している。しかし、現金決済型の指数オプションでは、満期となった瞬間にイン・ザ・マネー(ITM)オプションのデルタがなくなってしまい、公開市場でヘッジをした先物建玉の解消はトレーダー任せとなる。しかも、オプションの決済値は、指数の“連続的”な価格、そしてその延長線上にあるヘッジ手段(先物価格)の軌道から明らかに逸脱して「飛ぶ」ことがよくあるのだ。この満期時に決済値が飛ぶ現象はランダムに発生している。

S&P500指数オプションの決済値は、公式に発表される指数の終値だ。公式指数終値が飛ぶのは、大引け時に指数を構成する各銘柄に置かれた引け注文が通常の注文と合わさって板に集まるからである。公式指数終値の飛び方は一様ではない。図1に最近の135営業日にどれだけ飛んでいるかの分布図を示した。E-mini S&P 500指数先物は米東部時間16時まで取引される。一方、公式指数終値が計算され公表されるのは数分後だ。しかし、どれくらい飛ぶかは分からない。このサンプル期間にも1.3指数ポイント飛ぶことさえあった。現物終値は連続的な市場から逸脱しているにもかかわらず、先物のヘッジは連続的な市場で解消しなければならない。つまり、オプションの最終決済値が飛ぶのは、損益の望ましくない要因となり、リスク管理の障壁となるのだ。

図1 公式指数終値がどれだけ飛んだかの分布図(2015年9月21日―2016年4月4日)

指数終値ベーシス取引(BTIC)の導入

指数終値ベーシス取引(BTIC)は、CMEグループが2015年末にE-mini S&P 500先物に導入した新しい注文形態である。指数先物と現物指数のベーシスを終日にわたって取引するというものだ。例えば、ベーシスを-7.85指数ポイントで同意したとしよう。閉場後に公式指数終値を入手できる。そしてE-mini S&P 500のBTICを対象となるE-mini S&P 500先物の取引に変換するのだ。その約定値は公式指数終値をBTICで同意したベーシスで調整したものである。例えば、指数終値が2066.26であれば、先物の約定値は2066.26+(-7.85)=2058.41となるわけだ。

つまり、BTICなら指数終値が連続する流れから飛んだ分だけ先物で取り戻せるのだ。BTICで建てた先物のヘッジを解消すれば、オプション決済時に公式指数終値が飛ぶリスクを相殺できる。E-mini S&P 500先物のBTIC市場は、呼値の単位が0.05指数ポイント刻みだ。取引はCME Globex電子取引システムをとおして実施され、営業時間の大半で売り買い気配値のスプレッドが平均して0.05もしくは0.10であり、健全な板だといえる。一方、E-mini S&P 500先物のアウトライト市場は呼値の単位が0.25指数ポイント刻みである。図2にBTIC市場の気配値スプレッドを時間ごとに示した。

図2  E-mini S&P 500先物の電子BTIC市場での気配値スプレッドと上下1本目の板の厚さ(2016年3月7日―2016年4月4日)

取引時間(米東部時間)

板の上下一本目の平均的厚さ

気配値スプレッド(ポイント)

9-10時

143 (~1465万ドル)

0.10

10–11時

207 (~2122万ドル)

0.05

11-12時

354 (~3629万ドル)

0.05

12-13時

323 (~3311万ドル)

0.05

13–14時

383 (~3926万ドル)

0.05

14–15時

366 (~3752万ドル)

0.10

15–16時

223 (~2286万ドル)

0.10

図3 CMEグループE-mini指数先物のBTIC出来高

E-mini S&P 500先物の取引単位は1枚当たり50ドル倍だ。取引しているオプションがS&P 500株価指数の1万ドル倍(SPXオプション100枚に相当)とすると、E-mini S&P 500先物のBTICで200枚となる。

最近ではBTIC市場の電子取引は、相対のブロック取引を含め、出来高の約55%を占めるようになった。さまざまな市場参加者が、飛び方が一様でない公式指数終値に基づいた先物価格での取引を求めているのだ。もちろん、オプショントレーダーも望ましい価格でヘッジを実行できるだろう。

代替手段としての先物オプション

現物指数オプションの満期時リスクを管理するのにBTICを利用する代わりとして、いっそのこと公式指数終値を参照せずに済む手段がある。E-mini S&P 500先物オプションだ。満期時には対象となるE-mini S&P 500先物の建玉を受け渡す。したがって、現物の公式指数終値が飛ぶリスクは完全に排除される。

オプションは先物が満期となると同時に満期となる。ITMオプションの権利行使と義務の割り当ては、約定値がすでに固定された先物だ。すでに先物で相殺できる建玉があれば、2つの建玉は単に解消されることになる。先物(そしてオプション)の最終決済値に損益を確定する以上のことはない。3月、6月、9月、12月の第3金曜日に満期となるオプションが、このような形をとっている。

もしオプションが先物の満期よりも前に満期となるのであれば、ITMオプションの権利行使と割り当てが先物の建玉となるので、単純に満期時にデルタはなくならない。この先物建玉は既存の先物建玉を使うか、続けて先物を取引して解消することになるだろう。

権利行使と割り当てがヨーロピアンスタイルのオプション1の場合、左右されるのは満期日に米東部時間16時に至るまでの30秒間を対象にした先物の平均価格だけである。この「決定価格」の計算は事実上すぐにできる。公表されているデータで30秒間が経過した瞬間に計算できるのだ。これらのオプションでは、逆張り的な権利行使が認められていない。したがって、オプション建玉の買い手も売り手も、先物の建玉を持つのかすぐに分かる。先物の取引は、オプションの権利行使と割り当てが決定してから短期間続く。そのため、市場参加者が望むのであれば、先物で残った建玉を手仕舞うこともできる。

CMEグループのE-mini指数先物オプション市場では、満期がこまめに設定されている。毎週最終営業日に満期があり、また月末にもあるのだ。さらに対象となる先物が同時に満期となる四半期限月オプションもある。例えば、毎月第1金曜日に報告される非農業者部門就業者数のような重要な経済発表に的を絞った戦略も実現できるだろう。

代替手段としての先物オプション

現物指数オプションの満期時リスクを管理するのにBTICを利用する代わりとして、いっそのこと公式指数終値を参照せずに済む手段がある。E-mini S&P 500先物オプションだ。満期時には対象となるE-mini S&P 500先物の建玉を受け渡す。したがって、現物の公式指数終値が飛ぶリスクは完全に排除される。

オプションは先物が満期となると同時に満期となる。ITMオプションの権利行使と義務の割り当ては、約定値がすでに固定された先物だ。すでに先物で相殺できる建玉があれば、2つの建玉は単に解消されることになる。先物(そしてオプション)の最終決済値に損益を確定する以上のことはない。3月、6月、9月、12月の第3金曜日に満期となるオプションが、このような形をとっている。

もしオプションが先物の満期よりも前に満期となるのであれば、ITMオプションの権利行使と割り当てが先物の建玉となるので、単純に満期時にデルタはなくならない。この先物建玉は既存の先物建玉を使うか、続けて先物を取引して解消することになるだろう。

権利行使と割り当てがヨーロピアンスタイルのオプション1の場合、左右されるのは満期日に米東部時間16時に至るまでの30秒間を対象にした先物の平均価格だけである。この「決定価格」の計算は事実上すぐにできる。公表されているデータで30秒間が経過した瞬間に計算できるのだ。これらのオプションでは、逆張り的な権利行使が認められていない。したがって、オプション建玉の買い手も売り手も、先物の建玉を持つのかすぐに分かる。先物の取引は、オプションの権利行使と割り当てが決定してから短期間続く。そのため、市場参加者が望むのであれば、先物で残った建玉を手仕舞うこともできる。

CMEグループのE-mini指数先物オプション市場では、満期がこまめに設定されている。毎週最終営業日に満期があり、また月末にもあるのだ。さらに対象となる先物が同時に満期となる四半期限月オプションもある。例えば、毎月第1金曜日に報告される非農業者部門就業者数のような重要な経済発表に的を絞った戦略も実現できるだろう。

脚注

本稿執筆時現在、CMEグループでは連続限月オプションの権利行使方法をヨーロピアンスタイルに変更中である。現在、オプション建玉者に逆張り的な権利行使と権利放棄が認められているのは、S&P 500とE-mini S&P 500先物オプションの2016年4・5月第3金曜日限、E-mini NASDAQ-100先物オプションとE-miniダウ(5ドル)先物オプションの4・5・6月第3金曜日限だけである。その他の「四半期外」期限のオプションは、逆張り的な指図は認められない。2016年7月限以降は、すべての四半期外指数先物オプションで満期時に逆張り的な指図をするのが禁じられることになる。

免責事項

先物取引やスワップ取引は、あらゆる投資家に適しているわけではありません。損失のリスクがあります。先物やスワップはレバレッジ投資であり、取引に求められる資金は総代金のごく一部にすぎません。そのため、先物やスワップの建玉に差し入れた当初証拠金を超える損失を被る可能性があります。したがって、生活に支障をきたすことのない、損失を許容できる資金で運用すべきです。また、一度の取引に全額を投じるようなことは避けてください。すべての取引が利益になるとは期待できません。

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